2011年1月27日木曜日

ヤマダ君の運命

あくまでヤマダ君の行動に、
妨害する意図は無かったと判断した場合・・・



☆7・09(d)
その塁の付近に集合して守備側を妨げるか、惑乱させるか

☆7・11
>打球あるいは送球を処理しようとしている野手の守備を妨げないように、
>必要に応じて自己の占めている場所(ダッグアウト内を含む)を譲らなければならない。

この2項の条文を読んでみると
あくまで妨害する意図が無くても、結果的に「守備を妨害」したならば
守備妨害(インターフェア)を宣告し、
そのプレイの対象であった打者または走者をアウトとする。

と、読みとることも出来ます・・・

一方こちらでは

☆3・15【原注】例
>バットボーイ、ボールボーイ、警察官などが、打球または送球に触れないように
>避けようとしたが避けきれずに触れた場合は、故意の妨害とはみなされない。
>その妨害が故意でないときは、ボールインプレイ。

しかし、この場合だと「送球がベンチへ入ってしまい」
2個の安全進塁権を与えてしまうことになります・・・

前回の図で、A・B・C3地点のポイントを示してみましたが
どの位置で送球が当たった場合は「妨害」となるのか?

またフェア地域からの送球と、ファウル地域からの送球では
「妨害」とするポイントも変わってきますよね?

もしかするとイチロー君が暴投し、ヤマダ君に当たってしまうことも・・・

□仮に送球ライン付近で、当たってしまった場合は
7・09(d)、7・11を根拠に、「インターフェアを宣言しボールデット」

□送球ラインから、離れた場所で当たって場合は
3・15を適用し「インプレー」でプレイを継続させたいと思います
ただし「2個の安全進塁権」が発生するのは???

悪送球に対しても、カバーする「守備を妨害」した事になりかねないんですよね・・・

このように、ヤマダ君の行動と場所、イチロー君の送球ラインなど
その場で「判断」しなければならない要素がたくさんありますよね

それで結論を言いますと・・・

その場で判断したことが「正解」としか言えません^^

ちなみに・・・

ヤマダ君が、妨害する意図はまったく無く
イチロー君の送球ラインから、離れた場所で当たってしまい
送球が、ベンチへ入ってしまった場合

・送球がベンチへ入ってしまった時点で「ボールデット」
・もし送球が当たらなかったら、どのような状態になったか判断し
・ツヨシ君の得点は認め、マツイ君は1塁へとどめる

こんな判断をするかもしれません!

3・15
もし妨害がなかったら競技はどのような状態になったかを判断し

この適用が本当に正しいのか?
正直判りませんし、責任も負えません!
まったく無責任な話になっちゃいましたね^^

実際にグランドで起きたプレイを
その場で判断した事が全てですから・・・


2011年1月25日火曜日

ヤマダ君の悲劇


前回の記事で「正解はひとつと限らない」と書きましたが・・・
なぜだか、わかりましたか?
それは、状況説明が不十分だからです。


「こんなケースでは、アウトですか?セーフですか?」

いろいろ質問されることもあるのですが
ほとんどの場合「現場で見ていないので、判断できませんが・・・」と
前置きを付け加えないと、誤解を生じかねない事も多々あります。


「ヤマダ君の悲劇」これも典型的なケースだと思います。

>バットボーイに送球が当たり、デットゾーンにボールが入ってしまった。
>この場合どうなります?

こんな質問では、判断できませんよね?
なぜならば、このプレイを判断するには・・・・

☆3・15

試合中は、ユニフォームを着たプレーヤー及びコーチ、監督、ホームチームによって
公認されている報道写真班、審判員、制服を着た警官、ならびにホームチームの警備員、
その他の従業員のほかは、競技場内に入ってはならない。競技場内に入ることを公認された人
(試合に参加している攻撃側メンバー、コーチスボックス内のベースコーチあるいは審判員を除く)
が競技を妨害したとき、その妨害が故意でないときは、ボールインプレイである。
しかし故意の妨害のときには、妨害と同時にボールデッドとなり、
審判員は、もし妨害がなかったら競技はどのような状態になったかを判断して、ボールデッド後の処置をとる。

【付記】前記カッコ内の攻撃側メンバー、ベースコーチ及び審判員については
7・11、7・08(b)、5・08及び5・09(b)参照。

【原注】妨害が故意であったか否かは、その行為に基づいて決定しなければならない。
例 ― バットボーイ、ボールボーイ、警察官などが、打球または送球に触れないように
避けようとしたが避けきれずに触れた場合は、故意の妨害とはみなされない。
しかしボールをけったり、拾い上げたり、押し戻した場合には、本人の意思とは関係なく故意の妨害とみなされる。



☆7・09(d)
一人または二人以上の攻撃側メンバーが、走者が達しようとする塁に接近して立つか、
あるいは、その塁の付近に集合して守備側を妨げるか、惑乱させるか、
ことさらに守備を困難にした場合、その走者は、味方のメンバーが相手の守備を
妨害(インターフェア)したものとしてアウトを宣告される。


☆7・11
攻撃側チームのプレーヤー、ベースコーチまたはその他のメンバーは、
打球あるいは送球を処理しようとしている野手の守備を妨げないように、
必要に応じて自己の占めている場所(ダッグアウト内を含む)を譲らなければならない。

ペナルティ 
守備妨害(インターフェア)を宣告し、
そのプレイの対象であった打者または走者をアウトとする。

【注】たとえば、プレーヤーが二本のバットを持って次打者席に入っていたとき、
打者がファウル飛球を打ち、これを捕手が追ってきたので、
そのプレーヤーは一本のバットを持って場所を譲ったが、
捕手は取り残されたバットにつまずいたために、
容易に捕えることができたはずのファウル飛球を捕えることができなかったような場合、
プレーヤーの取り残したバットが、明らかに捕手の捕球を妨げたと
審判員が判断すれば、打者はアウトになる。



以上、3項目から該当プレイを判断しなければならないからです!

つづく・・・


2011年1月23日日曜日

今年も頑張りましょう!

2011年最初の記事は・・・いきなりルール問題です!

試合は少年野球練習試合、3-3の同点で迎えた最終回
ホームチームが、1死走者2塁で4番マツイ君が打てばサヨナラの場面
左打者のマツイ君は、ダイスケ投手のインコース直球を引っ張り
ライトライン際へ落ちるヒット。2塁走者ツヨシ君は、3塁を回り本塁へ・・・
右翼手のイチロー君は、打球をすばやく拾い上げレーザービーム炸裂・・・

しかし、ここで問題が起きました。

打ち終わったマツイ君のバットを、バットボーイのヤマダ君が拾いに行ったその時
イチロー君の返球が、ヤマダ君の頭部に当たり、ボールは1塁ベンチへ入ってしまった。。。

「ボールが当たった瞬間」

・2塁走者のツヨシ君は、本塁到着前。

・打者走者のマツイ君は、1塁到着前。

・送球がヤマダ君に当たらなければ、本塁は際どいクロスプレーのタイミング。

・ヤマダ君は、ごくごく自然な動きでバットを拾っていた。


こんなややこしいシーンが目の前で起こったら!

あなたなら、どのようなジャッジを下しますか?


正解は、ひとつとは限りませんよ。

「ナニ」を根拠に、「ドノ」規則を適用したのか?

そこが1番肝心なことですので、具体的に考えてみましょう^^

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